リオネル・メッシから直接サインしてもらう…、サッカーファンなら誰もが憧れるシチュエーションだ。とはいえ実現するにはかなりハードルの高い相手。そこで今回は実際にメッシからサインをもらった“成功者”の話をご紹介する。ぜひ皆さんも、彼の成功体験を活かしてサインをゲットしていただきたい。
今や多くのメディアから取材を受け続けるブラジリアの消防士、イゴール・マガリャエス。彼は背中のタトゥーのエピソードのおかげで、「これ以上ないくらい、たくさんのポルトガル語を話したよ」と笑う。子供の頃のアイドル、ロマーリオをきっかけにFCバルセロナに興味を持ったイゴールは、その後も同じくブラジル人選手であるリヴァウドやロナウジーニョの活躍で引き続きブラウグラナを追い続けるようになる。さらにメッシがチームの中心選手になると、愛情の全てはこのアルゼンチンのエースに注がれるようになった。

2019年、メッシのタトゥーを入れたいと思いたったイゴールは、値段の良さと技術の高さと、何より同じメッシのファンということで、自宅から1,600km(!)離れたポルト・アレグレにいるタトゥーアーティストに依頼することにした。モチーフは2017年、エル・クラシコで見せたメッシのゴールセレブレーションの姿。彼の想定よりも大きめではあったが、自慢のタトゥーが彫りあがった。


時は少し流れて2021年。自国開催のコパアメリカのためにやって来たメッシをひと目見ようと、イゴールは友人とともにアルゼンチン代表の宿舎となるホテルの前で出待ちをしていた。だが、コロナ禍の只中にいるブラジル、選手たちとのふれあいなど望むべくもない。
「もしメッシと写真が撮れるとしたら、それはできすぎでしょうね。だいたいメッシのタトゥーを入れている人なんていっぱいいるし、私より熱狂的なファンばかり。そもそもコパアメリカはブラジルで開催するはずじゃなかったわけですから。」
イゴールはそれでも2日間、メッシに会えないままホテルの前で待ち続けた。普通はこれで話はおしまいなのだが、そうならなかったのはアルゼンチン代表に同行していたTV局の取材クルーがイゴールに声をかけたからだった。騒動のあと、地元メディアの取材に彼はその時のことをこう振り返った。
「インタビュアーがスペイン語を早口で話しかけたので、何を言っているかわからなかったんです。だからうまく返事ができなかった。そこで私は片言のスペイン語を使いながら、とりあえずシャツをまくってタトゥーを見せることにしました。」
※その後、改めて熱狂的ブラジル人ファンとして紹介されたイゴールのインタビューの様子はこちら
その時の映像をTV局がインスタグラムに動画として投稿すると、予想外の人物からコメントがついた。

「メッシがコメントしてくれたのを見た時、どうしていいかわかりませんでした。てっきり偽者かと思ったので…。それに彼のコメントの最初が「Terrible(ひどい)」と書いてあったので、私のタトゥーが好みじゃないのでは、と思いました。でも調べたら、それが褒め言葉だってわかったんです。」
そこからはトントン拍子で事が進んだ。TV局が両者を仲介し、見事メッシと会えることとなった。鉄柵越しではあったものの、最高のアイドルからサインをもらったイゴール。感無量だっただろう…と思いきや、「背中のタトゥーを見せるために後ろを向いていたので。」とのこと。
「挨拶はしましたよ。サインを書いてもらった後は、まわりにいた大勢の人たちに背中を叩かれました(笑)」
「私はずっと幸せですよ。言葉もありません。全てのアルゼンチンの人々に感謝します。」

その後はサインを消さないようシャワーも浴びず、外にも出かけない予定だったが、近くにタトゥーショップがあると聞き、すぐさまサインの部分にタトゥーを彫ってもらったらしい。
「これで安らかに死ねます」

もうおわかりになっただろう。メッシのサインが欲しかったら、まずは背中に大きなタトゥーを彫りに行こう!…って結論じゃ、ダメ??
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