今後も大きな大会が開催されるたびに、多くのファンがビール片手にスタジアムやパブ、ファンゾーンといたる所で歌うであろう『Vardy’s on fire』。このチャント、イングランド代表ジェイミー・ヴァーディーの物として広く知られている。
Vardy’s on fire(ヴァーディーが燃えているぜ)
Your defence is terrified(お前らの守備陣はビビってる)
原曲は1996年、イタリアのアーティストGalaの『Freed from Desire』というヨーロッパで大ヒットしたダンスチューン。教わらなくとも誰もが耳なじみあるメロディーと、名前の部分をちょっと変えるだけでどんなチームにも使える高い汎用性で、様々な場面で歌われる名チャントとなった。
実はこの『Vardy’s on fire』もまた“派生した”物の中の一つ。最初にこれらの原型を作ったのは、北アイルランド代表ファンが歌う『Will Grigg’s on fire』だ。このチャントでFWのウィル・グリッグ(MKドンズ所属)は、2016年にEURO初出場を果たした北アイルランド代表とともに注目を集め、一躍時の人となった。

そしてこのチャントは当時グリッグが所属していたウィガン・アスレティックのファン、ショーン・ケネディが発案したのがきっかけとなっている。前年に28ゴールを挙げた“我が街のスター”を讃える歌がYouTubeにアップされると凄まじい反響を呼び、あっという間に北アイルランド代表のファンたちの知るところとなった。その後の広がりは前述の通り。おかげで“発明者”のケネディはウィガン会長からシーズンチケットをプレゼントされ、当のグリッグはというとベンチを温めることばかりで、チャント以上のインパクトを与えることはできずに大会を去っている。
『Vardy’s on fire』のように、大会ごとに生まれる名物チャント。次はどんな曲が流行するのか。今後は試合だけでなく、ぜひスタンドから聴こえる歌声にも注目していただきたい。
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