ユニフォーム

アイアン・メイデンとウェストハム、“死ぬまで一緒!”のコラボユニフォーム

ヘヴィメタルの雄であるIron Maiden(アイアン・メイデン)とウェストハム・ユナイテッド、無縁のように見えて実はコラボユニフォームを作成するほど、密接な関係性を持っている両者。全てはベーシストであるスティーヴ・ハリスの、強い強いサッカー愛から始まっている。

世界屈指のヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデン。ロンドンで結成された音楽界のレジェンドは1980年のデビュー以来、幾度かのメンバーチェンジを繰り返しながらも、現在まで常にシーンの先頭をリードしてきた。15枚のオリジナルアルバム、11枚のライブアルバムをリリースしており、全世界での累計売上枚数は9,000万枚以上。2011年のグラミーを含め、数多くのアウォードでトロフィーを獲得している。

全世界の音楽ファンだけでなく、多くのアーティストからもリスペクトされるアイアン・メイデン 。

そんな彼らが2019年より始めたウェストハムとのコラボキャンペーン、“Die With Your Boots On!”。タイトルはもちろん、アイアン・メイデンの1983年発表曲(※邦題は“邪悪な預言者”)に由来している。このフレーズ、そもそもは「戦死」または「勤務中の死」、転じて「死ぬまで(一緒に)」という意味で用いられることがある。下町・東ロンドンの造船会社が作った労働者たちのチームを源流とするウェストハム。彼ら労働者の一般的な格好が、スリムシャツにサスペンダー、ロールアップしたデニムに鉄板入りのワークブーツだった。“死ぬまでウェストハム”、そんな意味合いも想起せずにはいられない。ちなみにエンブレムにある通り、愛称の『ハマーズ』はクラブのルーツによるものだが、その他にも『アイアンズ』という呼び名もある。偶然とはいえ、両者の運命的なつながりを感じてしまう。

マフラーを掲げるアイアン・メイデンのファン。アイアン・メイデンが、フットボールと音楽を繋げてくれる。

そもそも、この世界的へヴィメタルバンドが、なぜウェストハムとコラボするのか?それはアイアン・メイデンを作った張本人であり、ベースとソングライティングを担当しているスティーヴ・ハリスがきっかけとなっている。ファンにとって、もはや知ってて当たり前のエピソードなのが、彼が1965年からの熱狂的なウェストハムファンであるということだ。

ウェストハムのエンブレムが描かれたベースは、スティーヴ・ハリスの代名詞。

「9歳の頃、ウェストハムとニューカッスルの試合に行ったんだ。ひとつ年上の友達と一緒にね。そしたらウェストハムが4-3で勝ったんだよ。そこからさ。夢中になったね!」(※英『ザ・ガーディアン』紙の取材にて)

もともと彼はサッカー選手を志しており、10代の頃はウェストハムのユース所属のサッカー選手であった。その腕前は将来を嘱望されるほどであったのだが、ハリスが14歳の時に人生の大きな転機が訪れる。…音楽と出会ってしまったのだ。音楽ファンにとっては大歓喜、ウェストハムにとっては悲劇的な出来事。だがバンドの道で大成した今現在でも、彼のウェストハム愛、フットボール愛は何ひとつ変わることはなかった。

以前よりハリスとバンドメンバーは、バンド公式サッカーチーム『Maiden F.C.』を結成しており、元サッカー選手の助っ人などを呼びながら、ツアーの合間に他のバンドやライブ会場の地元チームと対戦している(ただし、残念ながら時間や場所は非公開)とのこと。現在はコロナ禍で中断しているが、2018年から続く『Legacy of the Beast World Tour』では4試合、その前のツアーでは30試合も組まれていたらしい。他にもチャリティートーナメントに参加したり、ユースチーム(※現在は休止)を作ったりと、ステージ以外にもサッカーの分野で大いに活躍している。

『Maiden F.C.』のユニフォームに身を包んだメンバー。現在のハリスの一番の悩みは、メンバーが足りないこと。
Maiden F.C.、2018シーズン激闘?の様子。
現在は休止状態ではあるが、『Maiden Youth F.C.』というユースチームも。

そして2019年始動した、ハリス念願のコラボ企画が前述の“Die With Your Boots On!”。第一弾はクラシカルなウェストハムの1stキットをモチーフとした、おなじみエンジと水色のユニフォームだ。実際に試合では使用されないものの、熱狂的ファンであるハリスのこだわりを随所に感じさせる仕上がりとなっている。

このコラボについて、ウェストハムのライセンスマネージャーであるトレイシー・ストラットンはこう語っている。「アイアン・メイデンがチケットをソールドアウトさせたロンドンのO2アリーナでのライブの時、ウェストハムのクラブショップが世界中のメタルファンであふれかえったんです。そのとき気づきました。このコラボをスタートすることは正しいことだと。今回、スティーヴの情熱と細部のこだわりにより、非常に素晴らしいものとなりました。」

2019年に発表されたホームユニフォームをイメージしたコラボ第一弾。モデルになっているのはスティーヴ・ハリス(左)と、当時ウェストハムに所属していた元アルゼンチン代表DFサバレタ(右)。

コラボユニフォームのスポンサー部分にはバンド名、右胸部分はIron Maiden F.C.の略称が記されている。ウェストハムのエンブレムは現在のものではなく、ハリスが好きだった過去使用されていたものを採用。首の後ろにもエンブレムはついているが、こちらはハンマーの片方がベースとなっている。背番号はハリスのフットボールチームでのパーソナルナンバー“11”で、アイアン・メイデンが普段使う書体と同じものが使われている。そして袖口には“Die With Your Boots On”がしっかりとプリントされている。

第二弾・アウェイキットの広告では、ハリスとともにサイード・ベンラーマがモデルとして登場。

さらに売り上げ好評につき、2021年には第二弾のアウェイモデルが発売。こちらも第一弾と同様に凝った作りとなっている。一時は品切れ状態だったが、現在はウェストハムとアイアン・メイデン、両公式サイトで購入可能だ。

新型コロナのために2020年に予定されていたワールドツアーの日本公演は中止となってしまい、開催は2022年と言われている。送料など面倒な部分もあるが、サッカーファンだけでなくメタルファンも垂涎の一枚を手に入れて、アイアン・メイデンの来日公演に備えてみてはいかがだろうか?

ちなみに、筆者はもちろん購入済みだ!(笑)

West Ham 公式ストア(英語) / Iron Maiden 公式ストア(英語 ※一部日本語あり)

投稿者プロフィール

KATSUDON
KATSUDONLADS FOOTBALL編集長
音楽好きでサッカー好き。国内はJ1から地域リーグ、海外はセリエAにブンデスリーガと、プロアマ問わず熱狂があれば、あらゆる試合が楽しめるお気楽人間。ピッチ上のプレーはもちろん、ゴール裏の様子もかなり気になるオタク気質。好きな選手はネドヴェド。
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